木曜生まれは旅に出る。

旅どころか布団からあまり出ません。

派手なおばちゃんと金髪の若者ともっさりした女子が優しかった日。

わたくし、現在とある怪我をしておりまして、今日は特別痛むので、杖を持って出かけたわけです。

杖を装備した状態で近所を徘徊したことはあっても、電車に乗っての長距離移動は今日が初。

あれね、足が不自由だと階段まじキツいね。
階段降りるのにものすごく時間かかる。
わたしの最寄り駅はしょぼいことで有名な駅で、地下鉄なのに地上から改札口までずっと乗ってられるエスカレーターが無い。
どこかで必ず階段を降りなきゃいけない。これがしんどい!
エレベーター乗ればいいんだけど、道路の向こう側ですごく遠いんだよこれがまた。

杖持ってる側の手も怪我してるもんだから、杖ついてても手が痛い。
つーか、怪我してなくても、体重をがっつりかけてるから、杖の持ち手に手のひらがぐいぐい押し付けられて痛いんだわ。


さて、のっけから手と足にダメージを負った状態で電車に乗りました。

実は、座ったり立ったりのほうがむしろしんどいので、ひとまず立ったまま乗換駅へ。
座席は満席。特に席を譲ろうとする人もいませんでした。

山手線で派手なおばちゃん(幸田シャーミン似)が席を譲ってくれた。

次に、山手線に乗り込みます。
けっこう混んでる。端っこに寄っかかろうと思ったけどできなかったので、つり革を探して座席の方へ移動。

そしたら、わたしが杖をついていることに気づいた派手なおばちゃん(幸田シャーミン似)が、すーっと席を立って、「どうぞ~」って譲ってくれました。

ちょ!!おばちゃん、優しい!!!(´;ω;`)

おばちゃんはわたしの目の前にそのまま立ってたんだけど、膝を曲げて座れないので、足を投げ出す形になってしまって申し訳なくて、重ねてお詫びを言ってみたら、おばちゃんは「気にしなくていいのよ~、座ってて~」と言ってくれました。

イマドキ風の金髪の若者(おそらく音楽系専門学校生)がドアをおさえて待っててくれた。


目的の駅にたどり着いたものの、やはり階段ばかりの駅ダンジョンを抜けて、地上に出たころにはかなりのHPが削られていました。
左手には手土産を持って、右手には杖。手土産とか持ってこなきゃよかった!というレベルに両手が開いていないというのは不自由です。

どうにか目的地に到着したんだけど、ビルの入り口がガラス扉を手で開ける方式だったので、どうしたものかと思案して、強引にショルダーアタックする作戦を決行しようとした矢先、ふと前を見ると、金髪で変な色のダウン着てる若者(おそらく近隣の音楽系専門学校の生徒)が、横からすっと割り込んできた。

ったくよォ~、近頃の若者はよォ~!と光太郎節(岡田あーみん)が脳内に走りましたよ、ええ。

でもね、若者、ずっとドアのとこにいるの。
なにやってんだこいつさっさといけよ、っと思ったら、なんかね、ドア開けておさえて待っててくれてるの。
無言なんだけど、わたしが通るの待っててくれてるの。


ちょ!!金髪、優しい!!!(´;ω;`)


しかもわたしが通った後、金髪はそのビルに入るでもなく、そのまま通りに戻って歩いていった。
通りがかりに杖ついた人が困ってるのを見つけて、ドアを開けるためにわざわざ足を止めてくれたんだ。
なんていい人!!

もっさりした髪型の女子(たぶん埼玉県民)も席を譲ってくれた。

おばちゃんと金髪の優しさを噛み締めながら用事を終えたわたしは、今度は地下鉄に乗り込みました。
20時を回ったところで電車はぎゅうぎゅう。
まぁ仕方ないなー、と今度こそ端っこに寄りかかるべく、乗ったドアから隣のドアのあたりまで移動を開始。
座席の前を通りかかったら、スマートフォンでゲームやってたもっさりした髪型の女子が顔を上げた。
顔も髪型に負けないもっさり加減で、服装ももっさりしてた。たぶん埼玉県民。電車の方向的にね。

まだ杖の扱いに慣れてなくて、杖がガツガツ音を立ててたので、あらまあわたしったらお行儀悪子ちゃんね!と反省しつつ、そろりそろりと杖を動かして歩いてたら、「ここ!ここどうぞ!!」ってもっさりちゃんが声をかけてくれた。


ちょ!!もっさり、優しい!!!(´;ω;`)


おばちゃんと金髪ともっさりのおかげで、どうにか家に帰ってこれたよ。
本当にありがとうございました。
このご恩は、次にわたしも困ってる人のために席を譲ることでお返しします。


都会の人は、言葉少なだけど、優しいよなあ。


今日はすごく疲れたけど、とてもいい日でした。