木曜生まれは旅に出る。

旅どころか布団からあまり出ません。

恋のはじまりと終わり。映画『花束みたいな恋をした』。

『花束みたいな恋をした』を観てきました。

hana-koi.jp

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なにげに一人で映画館に行くのが初めてだった。

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『花束みたいな恋をした』は脚本家・坂元裕二(代表作『東京ラブストーリー』『Mother』『最高の離婚』『問題のあるレストラン』『カルテット』など)のオリジナル脚本による恋愛映画です。

 

麦(菅田将暉)と絹(有村架純)が出会って別れるまでの4年間(2015年~2019年)の物語。そしておまけの2020年の話。

麦と絹はサブカル好き(と一言でまとめるのもなんだけど)で、本や音楽やあれやこれやの趣味がこれでもかとぴったりで、偶然の出会いで少し話しただけで恋の予感がする二人。こんなに価値観の合う恋人なんてそうそう現れないよなと思わせる。

映画は最初から最後まで二人だけの物語。もちろん脇役は出てくるけど、それは本当の意味での脇役で、主人公二人の関係性に何ら影響を及ぼさない。

心を揺らす進言をしてくる友人もいなければ、三角関係になりそうな友人も出てこない。

ただ二人の間で時間だけが過ぎていく。

麦は現実と向き合って大事なものを忘れていく。絹はそんな麦の変化について行けない。

二人の大事な大事な共通項だった趣味の話もしなくなって、セックスもなくなって、だんだんと恋の終わりが近づく。

友人の結婚式の後、二人はお互いに別れ話をしようと決意する。

観覧車に乗ってカラオケに行って昔のように楽しく遊んでファミレスに入り、話は切り出される。

でも話している間に麦はやっぱり別れたくない、結婚しようと言う。

恋愛感情が無くなっても仲のいい夫婦になろうと言う。

絹も同意しかけるが……。

 

もうね、このラストのファミレスでマスクびしょびしょになるくらい泣いた。

麦と絹が泣くより前に泣いてたからね!もらい泣きじゃないもんね!

途中で二人が泣き出すんですけども、そりゃあ泣くよ!っていう流れなの。

恋のはじまりを鮮烈に思い出して、でもそこにはもう戻れないことがよくわかっている二人が切ない、切なすぎるよ坂元さん!!

恋の終わりが来て、でも生活は続いていって、不思議に穏やかな空気が流れるところも好き。

ラストシーンの伏線回収も見事としか言いようがなかった。

 

映画を見終わった後、元カレたちのことを思い出したけど、みんな元気に生きてることを(一方的に、SNSの力で)知っているので問題はなかったです。

 

絹の「わたしはやりたくないことしたくない。楽しく生きたいよ」という台詞は刺さった。

甘ったれた考えにも聞こえるけど、人間の一番核になることなんじゃないかなと思った。

わたしもそうやって生きていきたい。

 

なお、この映画で知ったアーティスト『Awesome City Club』の曲を聴きながら書きました。めちゃくちゃいい。

麦と絹が作中で語っていた作家や音楽も調べてみたくなったな。

とてもいい映画でした。

 

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