夏の音。
田舎の家は時間がとてもゆっくり流れる。
田舎に来ると、縁側にねっころがって、
さいとうたかおの『サバイバル』を読むのが定番の過ごし方。
3年ぶりに来て、また同じことをしていると、縁側から猫が顔を出す。
んな~ぉ。
うん、今日もいい天気だね。
2時間の昼寝のあと、裏の畑と田んぼ探索。
蝉の抜け殻発見。
今ごろ元気に飛び回ってるかしら。
茄子畑には蜂が飛び回ってるから遠くから見るだけ。
途中お墓に手を合わせて、ずんずん歩くと360度の田んぼ。
遠くには白鷺がくる池と森。
ひゅっと風を抜けて低空飛行のとんびが横切る。
眩しい緑色の稲が揺れてサラサラ鳴る。
水路には絶えず水音。
遠くで近くで蝉の大合唱。
しばらくぼんやりしていると、私を呼ぶ声がする。
はぁい、今行くー!
すべてが何十年も変わらない夏の音。
私の子どもにも、孫にも、そのまた孫にも、聞かせてあげたいなあ。